第10話-1

始まりは、母が消えた事

目的はただ一つ、母を捜す事


・・目的が果たされた今、ロディの次の目的は一つ


「生き延びる事」

そして、「皆での生活を守る事」・・


衛星級の巨大な残骸が浮かぶ宙域、その残骸の真上で・・

最後の戦いが、盛大に始まった

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ゼファイラスに対して向かい来る、エリクシルの粒子砲

本流をかわしても、ぱらぱらと散る粒子の雨がゼファイラスの装甲表面を焼く


『熱っっ!!!』


叫ぶのはメイだ・・というより、融合している以上は「ゼファイラスがメイ」なのだ。

火傷を負うくらいの熱が左肩に降り注ぎ、メイが泣き叫ぶ


『よ・・よくもぉっ!!』


叫ぶなり、機体の肩が開いて・・今しがた熱を受け、焦げた辺りから拡散するミサイルが数発発射される

閃光が宇宙を染めるが・・・どうやら、というか当然のように、相干渉フィールドが直撃弾を防ぐ

ゼファイラスの攻撃という攻撃は、全く無効化されている・・


「メイ、俺がやる!」

「ふぇぇぇ!?身体が勝手にィ~!?」


ゼファイラスの目が緑の輝きから、青い輝きになる

・・サイシステムが起動する

・・少し動いただけでも以前とは比べモノにならない、常識を超越する速度!


・・ゼファイラスの動いた所に、ゼファイラスがいる・・?

セラの目に、信じがたい光景が映る

敵の攻撃を避けるため、すっ・・と軽く移動したハズだった

先ほどの立ち位置に、ゼファイラスがまだ、いる

・・残像が残っているのだ、確かに、その場所に!


「・・イケるぜ、相棒!!」

『ていうか、ボクだよ~・・』

「機体は黙って言う事聞く!」

『ふぇ~(泣)』


メイはよほどセプター化を解除して、元に戻りたかったか・・

しかし、戻ったらこの化け物じみた破壊力を持つ敵に勝てない事はよくわかっている


「お兄ちゃんもお姉ちゃんも、ケンカしないの!」

「・・へいへい」

『・・はぁい』


セラが一喝すると、二人はようやく真面目に・・今まで以上に真面目になった


「おぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!!」


P.Sブレードを振るい、相干渉フィールドごとエリクシルを切り裂く

・・ばしゅぅぅ・・と熱風と衝撃とが噴射して、エリクシルの頭部が寸断される

しかしゼファイラスは、ブレードを振り下ろしたままにはしない

・・手を離して、両手から・・合わせて10本の爪を閃かせる


・・ざぐっ!!


鋭い爪はブレードと同じく、フィールドを貫通して・・本体を貫く


エリクシルがうなるような軋みをあげて崩壊する

・・もっとも、すぐに再生を始めるのだろうが・・


「・・ちッ・・!」

『どうすんの!?』

「再生する前にやっつけるって言ったけど・・でも・・ただ斬るだけじゃ難しいよ、お兄ちゃん・・」

「・・メイ、なんか武器出せ!!」

『ふぇ・・?・・・・無理だよぉ、確かに今はボクの身体だけど・・何が出てくるのか全然わかんないんだもん(汗)』

「ええい!つべこべ言わずに出せったら出せ!」

『や・・やめてぇ~!!!!』


ミサイルが出る

・・全弾命中だが、意味はない

レーザーが何十と飛ぶ

・・もちろんコレも、意味はない

パーツの一部が切り離されて飛んでいく

・・弾かれてしまう、全く意味はない


「こんにゃろぉっ!これでもかこれでもかこれでもかぁぁぁぁ!!!」

『・・ぁっ・・へ、変なトコ触らないでよ・・くすぐったい・・・』


「・・・・・・」


・・何故か顔を真っ赤にするセラ

ロディも、メイも姿が見えない以上・・いろんな想像が頭を巡る

・・急いでそれを取り払う


その間にもゼファイラスの全身からは、多種多様な兵器が姿を現わしていた

実弾・光学、様々に登場するのだが・・結局、意味がない

敵から飛んでくる粒子砲は、超高速機動するゼファイラスには当たらない


「・・っくしょぉ!なんか出ろ、なんか!!」」

「出たら苦労しないでしょっ!」

『はははははっ・・やめてやめて・・くぅ・・・くすぐったいよォっ!!』



確か、さっきまで三人とも真面目に戦っていたのではないか・・?

とりあえず・・・

・・ゼファイラスとエリクシルの戦いは、タイムリミットの残り10分で決着がつく・・


最終話「はっぴい・えんど。」


仕事内容(メニュー):エリクシル・ギアに勝利する事

目的地・標的(ターゲット):超高密度衛星兵器「エリクシル」


依頼人(クライアント):不特定

注意事項(ワーニング):絶対勝って帰るぞ!・・以上!



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